第408回 静止摩擦係数つけたし:2005/5/4(Wed)
ある方からメールを頂いた。 前回の摩擦係数は小さいのではないか?と 「質量が加速度に影響しない」は言い過ぎではないか? と言うご指摘を頂きました。 ありがたいことです。 一応、それに対してお答えした内容をこちらにも掲載します。
こうへいです長文になりますので覚悟してください(笑) 摩擦係数はご指摘があった後に測定方法を変えて追試した結果今度は2.6ぐらいをえました。今度は大きいですね。 やり方は、以前研究用に買ってあったMiniZに、前回の実験で使用したものと同じタイヤを履かせて各タイヤをロック状態にして、迷路の路面に置き迷路を傾斜させていってその傾斜角度を測りました。この方法で69度まで耐えまして、摩擦係数はTanθなのでTan(69deg)=2.6となりました。 いや69度ってのは絶壁みたいなもんですから、驚きましたね。 このタイヤは井谷さんから頂いた硬度15度ぐらいの非常にやわらかいタイヤなので路面にくっつく感じです。ただし、少しでもほこりが付くと直ぐにグリップは落ちますね。 メールを頂いて、良かったです。今後も、もう少し実験方法を工夫してやっていきたいと思います。環境条件で変わるのですが、幅を把握できれば、ハード・ソフトの設計に役立てるかと思います。 それと、「質量は加速度に影響しない」の話ですが。 ホームページの「マウスの質量は加速度には無関係」は言い過ぎの感がありますので、ちょっとトーンを落として、今のところ「マウスの質量の大小は加速度にそれほど影響しない。」と思っています。 以下にその理由を書きます。 車両の前後運動は、走行抵抗と駆動力がつりあっていることになります。 自動車工学の本によると 走行抵抗は、空気抵抗、転がり抵抗、加速抵抗、勾配抵抗だそうです。 空気抵抗と勾配抵抗はマウスの場合無視していいと思います。 残るは、転がり抵抗と加速抵抗ですが、転がり抵抗は文献をあさると車両の重量に比例するようです。また、加速抵抗とは慣性力そのものだと私は理解しています。 駆動力は一言で言うには厄介な代物ですがタイヤが地面を蹴る力で、車輪と地面とのスリップ率から求められる係数とタイヤの垂直加重との掛け算です。 つりあい式を以下に書くと M a + Frr = Ftrac ----(1) M a:慣性力(質量×加速度) Frr:転がり抵抗(小さい) Ftrac:トラクション(日本語で駆動力) これは車両の前後運動の運動方程式となります。 また Frr = murr M g ----(2) Ftrac = mu M g ----(3) murr,muはそれぞれ転がり抵抗係数、駆動力係数 (1)式に(2)(3)式を入れて整理すると a = ( mu - murr ) g ----(4) となり、加速度に質量は影響しないという結論に至りました。 (2)(3)式のように重量に対して厳密に力が導き出されるかは疑問ですが各種教科書より実験から求められた近似式としてはいいところをいっていると思うので、質量がそれほど影響しないと言うのは、当たらずとも遠からずと思います。 当初、私はF=maなので「モータが同じなら質量は加速度そのもの」とぐらいの認識を持っていたので、上の考察で目から鱗だったわけです。 省力している駆動力は車輪と地面のスリップ率に関係しますので完全に記述するにはタイヤの回転運動を書かなければなりませんが省略します。 ご指摘の慣性に関しても、上では考慮しているとは思っているのですが、考えちがいがありましたら教えてください。 では、良い休暇を
モータドライバの話はまた後日と言う事で・・・ |